ハザードマップ、現状の問題点は活用の仕方?私たちの命を守るためにどう活用する?
私たちの命を守るための情報が記載されている、ハザードマップ。
しかし、ハザードマップは万能な代物ではなく、ある問題点が指摘されています。
それは、活用の仕方がいまいち伝わっておらず、現状うまく活用できていない方が多数いることです。
今回は、ハザードマップの問題点について考察します。
□ハザードマップの問題点はうまく活用できないこと
令和3年、国土交通省によってハザードマップに関するアンケートが行われました。
ハザードマップは避難や避難の判断の際に役に立っているという意見が8割あるなか、2割は役に立っていないと回答しています。
役に立っていないと回答した方のうち、およそ4割は「自宅にとどまるか、避難所に行く必要があるかの判断ができない」と回答しています。
このことから、ハザードマップに記載されている情報だけでは、有事の際にとるべき避難行動を確認することは難しいという問題点があることが分かります。
とりわけ避難の判断基準については、ハザードマップに記載されているわけではないため、改善していくべきところなのかもしれません。
□ハザードマップの問題点を解決する知識と使い方を紹介!
現状、ハザードマップには避難の判断基準が記載されていないため、他の情報で確認する必要があります。
その際に役立つのが「避難情報」です。
避難情報は5つのレベルに分けて発令されます。
・警戒レベル1
災害が発生する可能性はまだ低いですが、災害への心構えを高めるために発表される情報です。
最新の防災気象情報を確認したり、ハザードマップで避難時の経路を確認したりして、備えを固めておきましょう。
・警戒レベル2
大雨注意報や洪水注意報が発令され、気象状況が悪化している際に発表される情報です。
避難に備えて準備しておきましょう。
・警戒レベル3
避難に時間がかかる方や支援が必要な方は、安全な場所へ避難する必要があります。
また、ハザードマップに記載されている土砂災害警戒区域や、急激な水位上昇の恐れがある河川付近にお住まいの方も、この段階で避難することが望ましいです。
・警戒レベル4
対象地域の方は全員避難する必要があります。
速やかに安全な場所へ避難してください。
・警戒レベル5
災害が差し迫った状況のため、「緊急安全確保」として、命を守る行動を直ちに取ることが求められます。
自宅の上の階に移動したり、崖から離れた部屋に移動したりするなど、被害を受ける可能性が低い場所へ行ってください。
警戒レベル5の段階では安全に避難することが難しいため、避難レベル3や4の段階で確実に避難を終えておくことが大切です。
これらの情報をハザードマップと併せて確認すれば、より安全な避難をすることができます。
有事の際は冷静な判断が難しくなりがちです。
日頃からハザードマップで身の回りの災害情報について確認し、取るべき避難行動を確認しておくようにしましょう。
□まとめ
ハザードマップは、避難に必要な情報が記載されており、事前に被害を想定するのに役立ちます。
しかし、ハザードマップだけでは避難の判断基準を確認することはできず、しばしば問題点として指摘される部分です。
避難の判断基準は避難情報で確認するなど、他の方法で弱点を補いながら活用しましょう。
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