木材はどれくらいの年数が経過すると腐朽するのか
木材は、どれくらいの年数が経過すると腐朽しはじめるのでしょうか。
一戸建てで広く普及している木造住宅の法定耐用年数は、22年。
とはいっても、22年経過すると腐朽が加速するというわけでは決してなく、数千年が経過しても朽ちることなく残り続ける、著名な歴史的建造物もあります。
しかし、住宅街でふと見かけるような築数十年程度の空き家では、木材が腐朽したように見受けられることがあります。
なぜこうも建築物によって木材の状態が変わってくるのでしょうか。
今回は、木材の腐朽に焦点を当ててお話します。
□木材は年数が経過すると腐朽するのか
実は、木材自体の寿命は非常に長いとされています。
数千年が経過しても未だに朽ちることなく佇む歴史的建造物があるように、条件さえ整えば木材は腐朽せずにむしろ経年するほどに乾燥して強くなると言われています。
木材は、伐採されてからも生き続けるといわれています。
一般的に切花は鉢植えのお花より寿命が短くなりますが、木材はその逆なのがポイント。
切り出されたときから徐々に強度を増していき、切り花とは逆に丈夫になっていくことが判明しています。
木材の中には、1種類の木だけを使った「無垢材」と同じ樹種の木材をつなぎ合わせた「集成材」がありますが、寿命の観点から見ると、 集成材の方が強度や変形がないなどメリットが大きいです。
さらに、一戸建てを建てる際にはその土地で育った地元の木材を使用すると、その土地ならではの気候に慣れているため、さらに寿命が延びていきます。
このように木材自体の寿命は非常に長く、”一定の年数が経過したら腐朽する”というわけではないことが最大のポイントです。
□木材を劣化させるもの|定期的なメンテナンスが必須
では、寿命が長い木材でも、なぜ腐朽してしまうことがあるのでしょうか。
木材を劣化させる代表的なものは、以下の3つです。
・紫外線
・木材腐朽菌
・シロアリによる食害
木材を構成しているのは、セルロース・ヘミセルロース・リグニンと呼ばれる3つの成分。
紫外線はその内のリグニンを分解してしまう働きがあり、木材を劣化させます。
しかし、紫外線はあくまで経年的な原因。
木材の寿命を大幅にかつ急速に奪っていくのは、木材腐朽菌とシロアリによる食害です。
ジメジメとした場所(木造住宅でいえば床下)かつ餌となる木材がある場所は、木材腐朽菌とシロアリにとって格好の繁殖場。
彼らに住みつかれたら最後、築数年程度の新築であってもみるみる内に木材が劣化・腐朽していきます。
本来木材に備わっている強度や寿命の長さを引き出すためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
防腐・防蟻処理を欠かさず行い、床下の点検も行いましょう。
より長く快適に暮らしていくためにも、こまめに気にかけることが大切です。
□まとめ
木材は、条件さえ整えば数百年数千年が経過しても腐朽せず、逆に強度を増して丈夫になっていくという特徴があります。
木材を劣化させる原因となる紫外線・木材腐朽菌・シロアリの3つには十分注意し、定期的にメンテナンスを行うようにしましょう。
家のメンテナンスで何か困ったことがあった際には、お気軽に当社にご相談ください。