UA値の基準は地域別に設定されている
快適性の高い一戸建てに住む上で大切な役割を持つ断熱性。
夏は涼しく冬は暖かく過ごすためには欠かせません。
そんな断熱性の高さを数値で表したのが”UA値”と呼ばれるもので、低ければ低いほど断熱性が高いとされています。
そんなUA値、地域別で基準が異なることをご存知でしょうか。
今回は、断熱性を表すUA値についてご紹介します。
□UA値とは?
UA値とは、室内の熱が外壁や屋根からどれくらい逃げていきやすいかを定量的に示したものです。
外皮平均熱貫流率とも言い、冒頭でも述べた通り数値が低ければ低いほど熱が外に逃げていきにくいということなので、断熱性が高いと言えます。
UA値が低い、つまり断熱性が高いことで冷暖房効率が非常に良くなり、室内における快適性は格段にアップします。
それだけでなく光熱費削減にも繋がり、家計にもメリットが大きいです。
*UA値の計算方法
UA値の計算方法に必要なものは、外壁や屋根などを含む”外気に触れている部分から外へ逃げていく熱量”と外皮の面積です。
具体的には以下の計算式で求めます。
・UA値=外皮総熱損失量÷外皮総面積
□推奨されるUA値は地域ごとに変わってくる
日本は地域ごとに気候が異なるため、地域ごとに推奨されているUA値が異なっているのです。
例えば、非常に寒い北海道はUA値0.46が推奨されているのに対して、関東や関西、中部地方や九州などはUA値0.87が推奨されています。
この分類の背景として、一般的には冬に使う暖房の方が冷暖房エネルギーが必要になるという理由が挙げられます。
そのため北海道のような寒さがマイナスになる地域は推奨UA値が低めに、沖縄のような暖房がほぼいらない地域では高めに設定されているのです。
*耐熱性能等級4は取り入れておくべき?
ちなみに、先ほどのUA値の基準を満たしていることは、長期優良住宅への認定、フラット35の利用をするために必須です。
先ほどの地域別基準は平成11年に次世代省エネ基準として定められたものであり、政府はこれを満たすことを最優先にする方針を打ち出しました。
また、2021年4月以降、”省エネ性能説明義務制度”というものが始まっており、上記の基準を満たしていない場合、十分な省エネ性能を確保するための措置を行わなければならなくなりました。
ここでポイントとなるのが、”断熱性能等級4”です。
2025年以降に建てられる建造物は最低でもこの等級を満たしていることが条件に定められており、外壁や屋根、天井に加えて窓や床にも断熱材を用いているレベルです。
この2つを加味して、もしこれから家づくりをされる方は、断熱性能等級4を導入しておくことをおすすめします。
□まとめ
家づくりにおけるUA値は、断熱性の高さを定量的に表す大切な数値です。
これからの家づくりでは、このUA値の地域別基準を満たしていることに加え、2025年から耐熱性能等級4以上を満たしていることが必須になります。
そのため、これから家づくりを行う方は、現段階から断熱性能等級4を導入しておくことで、後から手をこまねくことを避けられるでしょう。
前の記事へ
« 新築で住み始めたばかりなのに寒い?その理由や対処法とは次の記事へ
無垢床のメリット・デメリットは10年後どうなっている? »