外壁のメンテナンスのサインは?劣化の種類や原因について解説
外壁のメンテナンスのサインは?劣化の種類や原因について解説
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いつも私たちを風雨や紫外線から守ってくれている外壁ですが、年月が経てばどうしても劣化していきます。では、いつどのようなメンテナンスを行うと良いのでしょうか。この記事では、外壁の劣化の原因と症状について解説していきます。劣化のサインを見逃さず、適切なメンテナンスを行いましょう。
目次
外壁の劣化の原因は?
外壁が劣化する原因として考えられる要素は大きく3つあります。それぞれ見ていきます。
外的な要因
外壁は絶えず風雨や紫外線にさらされています。これらの外的な要素によってダメージを受け、やがて劣化していきます。建物が置かれた状況や環境によって、外壁の状態に差が出るでしょう。
年数の経過によるもの
外壁材によってそれぞれ寿命があり、年数が経過すれば、あちらこちらに不具合が出てきます。軽い症状のうちに早めに対処して、大きな問題に発展させないことが大切です。そのためにも、小さな劣化を見落とさないように日頃から定期的にチェックすること、発見したときに放置せず、きちんと何らかの対処することを心がけましょう。
使用した塗料によるもの
外壁に使われている塗料によって、耐用年数が異なります。これらはあくまでも目安であり、環境などによって変わってきますが、一定の試験による結果から、ウレタン塗料・シリコン塗料・フッ素塗料の耐用年数(撥水性の効果)は、それぞれ7年・10年・15年とされています。
劣化によって見られる症状
外壁が劣化すると見られる主な症状についてまとめました。メンテナンスのサインにもなりますので、チェックしてみると良いでしょう。
色あせ・変色
塗料の耐用年数が過ぎると、外壁の色あせや変色が見られることが多いです。急いで対処する必要はありませんが、メンテナンスを検討した方が良いでしょう。塗り替えなどのメンテナンスのタイミングは、10年に1度が一般的とされています。フッ素や無機塗料など耐久性の高いものを選べば、メンテナンスの回数を抑えることが可能です。
チョーキング現象
外壁の面を触ったときに、白い粉がつく現象をチョーキング現象といいます。白い粉は塗料に含まれる合成樹脂成分が分解されたもので、塗膜が紫外線を浴び続けることで起きる、塗装の経年劣化の症状です。チョーキング現象を放置すると、塗膜が剥がれて、建物内部に水が侵入しやすくなりますので、塗り替えなどの早めの対処が必要です。
塗膜の剥がれ・膨れ
塗膜の剥がれや膨れは2パターンの原因が考えられます。
- 雨や紫外線などの外部からの影響による塗料の劣化。
- 塗料が外壁にしっかり定着されていない。
1つ目の外部の影響による場合は、塗り替えで対処しましょう。2つ目の原因の場合は、塗装の仕方や下地との相性が問題の可能性がありますので、調査を依頼して原因にあった対処をしてもらいましょう。
カビ・苔・藻の発生
塗装したばかりの外壁は、表面が滑らかで平らです。そのため、不純物などが付着しにくいのですが、年月の経過とともに塗装が劣化すると、徐々に塗装の表面がざらつくようになり、カビや苔などが付着しやすくなります。対処としては、水で流してブラシでこすって落とす方法があります。それでも落ちない場合は、専門業者に高圧洗浄や塗り替えを依頼すると良いでしょう。
コーキング・シーリングの劣化
雨や紫外線によって、コーキングやシーリングも劣化していきます。本来緩衝材としての役割を担っていますが、劣化とともにその役割を果たせなくなってしまうと、外壁自体が傷む原因になるので注意しましょう。外壁材自体を長く持たせるためにも、定期的なコーキングやシーリングの打ち替え・打ち増しなどのメンテナンスが必要になります。
ひび割れ(クラック)
ひび割れの多くが、塗料の劣化によるものです。外壁材の内部の水分が膨張と収縮を繰り返すうちに、小さなひびが発生することがありますが、この小さなひびが年月を重ねるごとに大きくなり、亀裂やひび割れに発展するのです。経年劣化によるひび割れならば塗り替え工事をおすすめします。また、塗装工事から1年未満での不具合は、施工不良の可能性が高いです。この場合は何が問題かはっきりさせる必要がありますので、調査を依頼して適切な対処をしてもらいましょう。
劣化を発見したらプロに診断をしてもらおう
劣化を発見したとしても、どの程度のものにどのように対処したら良いのか分からない場合もあるでしょう。そんなときにはプロに診断してもらうと安心です。
劣化の進行段階
劣化の進行度合いによって、3段階に分けて見てみます。
【 軽度:部分補修】
0.3mm未満のひび割れや部分的な塗装の剥がれは、部分補修で対処できます。
【中程度:塗り替え】
最もスタンダードな補修方法です。専門業者に依頼しましょう。
【重度:重ね張り、張り替え】
外壁自体が劣化していると、塗り替えだけでは対処しきれないため、重ね張りや張り替えを検討する必要があります。
早急に修理が必要な場合
以下の状況の場合、早急に対処しましょう。
【雨漏り】
断熱材や柱の腐食にまで至る可能性があり危険です。雨水の浸水でカビが発生し、アレルギーなどの健康被害が出る恐れもあります。
【コンクリートなどの外壁の剥離】
劣化がかなり進行している証拠です。周辺に剥離した破片が落下することで、事故が起こる可能性もあり、とても危険な状態です。
外壁の劣化は避けられない。早めに対処して解決しよう
環境や耐用年数などにより、外壁の劣化は必ず生じるものです。外壁のメンテナンスのサインとなる小さな損傷を見落とさず、早めの対処を心がけることがポイントになります。判断に迷うときは、専門業者に診断と修理を依頼しましょう。